ロータリーとは

ロータリーの誕生とその成長

ポール・ハーシー・ハリス 20世紀初頭のシカゴの街は、著しい社会経済の発展の陰で、商業道徳の欠如が目につくように
なっていた。
 ちょうどそのころ、ここに事務所を構えていた青年弁護士ポール・ハリスはこの風潮に堪えかね、友人3人と語らって、お互いに信頼のできる公正な取引をし、仕事上の付き合いがそのまま親友関係にまで発展するような仲間を増やしたい、という趣旨でロータリークラブという会合を考えた。ロータリーとは集会を各自の事務所持ち回りで順番に開くことから名付けられたものである。
 こうして1905年2月23日にシカゴロータリークラブが誕生した。
 それからは志を同じくするクラブが、つぎつぎ各地に生まれて、国境を越え、今では200以上
の国と地域に広がり、クラブ数36,945、会員総数1,204,997人(2022年4月20日国際ロータリー公式発表)に達している。
 そして、これら世界中のクラブの連合体を国際ロータリーと称す。
 このように、歴史的に見ても、ロータリーとは職業倫理を重んずる実業人、専門職業人の集まりである。その組織が地球の隅々にまで拡大するにつれて、ロータリーは世界に眼を開いて、幅広い奉仕活動を求められるようになり、現在は多方面にわたって多大の貢献をしている。

日本のロータリー

 わが国最初のロータリークラブは1920(大正9)年10月20日に創立された東京ロータリークラブで、翌1921年4月1日に世界で855番目のクラブとして、国際ロータリーに加盟が承認された。
 日本でのロータリークラブ設立については、ポール・ハリスの片腕としてロータリーの組織をつくり、海外拡大に情熱的に取り組んだ初代事務総長チェスリー・ペリーと、創立の準備に奔走した米山梅吉、福島喜三次などの先達の功を忘れることはできない。
 その後、日本のロータリーは、第2次世界大戦の波に洗われて、1940年に国際ロータリーから脱退する。戦後1949年3月になって、再び復帰加盟しますが、この時、復帰に尽力してくれたのが国際ロータリーの第3代事務総長ジョージ・ミーンズだ。
 その後の日本におけるロータリーの拡大発展は目覚ましいものがある。ロータリー財団への貢献も抜群で、今や国際ロータリーにおける日本の地位は不動のものになった。現在、日本全体でのクラブ数は2,224、会員数83,855人(2022年3月末現在)となっている。

ロータリーの目的

 ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある:

  • 第1 知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること;
  • 第2 職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること;
  • 第3 ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること;
  • 第4 奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること。

ロータリーの綱領

ロータリーの綱領は有益の事業の基礎として奉仕の理想を鼓吹し、これを育成し、特に次の各項を鼓吹育成するにある。

奉仕の機会として、知り合いを広めること。
事業及び専門職務の道徳的水準を高めること、あらゆる有用な業務は尊重されるべきであるという認識を深めること、そしてロータリアン各自が職業を通じて社会に奉仕するためにその業務を品位あらしめること。
ロータリアンすべてが、その個人生活、事業生活及び社会生活に常に「奉仕の理想」を適用すること。
「奉仕の理想」に結ばれた事業と専門職務に携わる世界的親交によって、国際間の理解と親善と平和を推進すること。

ロータリーの標語

超我の奉仕(第一標語)
  (Service Above Self)
最もよく奉仕する者、最も多く報いられる(第二標語)
  (One Profits Most Who Serves Best)

 前者は、ミネアポリス・ロータリークラブの初代会長のFrank Collins が、“Service Not Self”(無我の奉仕)を提唱し、後者はシカゴ・ロータリークラブのA・F・Sheldon が、シカゴ大会(1910年)で“He profits most who serves his fellows best”を披露し、1911年のポートランド大会で“He profits most who serves best”が、大会宣言の結語として採択される。その後、それぞれ修正され1950年のデトロイト大会で公式に採用された。
※ He → They(2004年)→ One(2010年)修正される。

四つのテスト

言行はこれに照らしてから
 OF the things we think, say or do
    Ⅰ 真実か どうか
      Is it the truth?
    Ⅱ みんなに公平か
      Is it fair to all concerned?
    Ⅲ 好意と友情を深めるか
      Will it build goodwill and better friendships?
    Ⅳ みんなのためになるか どうか
      Will it be beneficial to all concerned?

 H. J. Taylor 氏(1954年度RI会長)の発案によるもの、1932年同氏が破産に瀕するクラブアルミニウム会社を引受け、その再起の為に発案した経営方針である。
 この指針は非常な成功を納めたが、これは単に会社経営の指針としてばかりでなく人生一般の指針とすべきであるというので、ロータリーの間でも広く行き渡り、1954年その版権を国際ロータリーに譲渡した。